スレッドセーフな配列（ArrayList,HashTable,Queue,Stack）を作成する。(SyncRoot,Synchronized)非ジェネリック版。

基本的に配列の操作はスレッドセーフではないので（あるスレッドが配列に追加・削除している途中で、別スレッドでFor Eachしたら正しく列挙できない）マルチスレッドで配列のデータを操作する場合は、同時に実行されないようにロックする必要があります。

■lockステートメントによるスレッドセーフ化

using System;

using System.Collections;
namespace ThreadSafeCollection

{

    class Program

    {

        static void Main(string[] args)

        {

            Queue SafeQueue = new Queue();
            lock (SafeQueue.SyncRoot)

            {

                SafeQueue.Enqueue("AddObject");
            }

        }

    }

}

ArrayList,HashTable,Queue,Stackクラスにはそれぞれロック用のオブジェクトをSyncRootプロパティに格納しています。このオブジェクトを使ってロックを行ってから、処理を実行するとスレッドセーフにすることが出来ます。但し、配列を操作するすべての箇所でlockステートメントによる記述を行う必要があります。

■Synchronizedスタティックメソッドによるスレッドセーフ化

using System;

using System.Collections;
namespace ThreadSafeCollection

{

    class Program

    {

        static void Main(string[] args)

        {
            Queue SafeQueue = new Queue();

            SafeQueue = Queue.Synchronized(SafeQueue);
            SafeQueue.Enqueue("AddObject");
        }

    }

}

Synchronizedスタティックメソッドを使うとスレッドセーフな配列に変換することができます。これを行うことで配列に対する処理がスレッドセーフになります。個別にlockステートメントによる記述をする必要はなくなります。

＊追記(2009-01-07)
gsf_zero1さんからトラックバックをいただきました。
Synchronizedしたコレクションの操作でスレッドセーフ化される範囲についての記事です。
Synchronizedでは、イテレータ（For Each)の処理はスレッドセーフにならないので要注意との事です。大事なポイントです。

[C#] Synchronizedしたコレクションの操作 (Collection, Queue, Synchronized, IsSynchronized, lock, CopyTo)
http://d.hatena.ne.jp/gsf_zero1/20100107/p2