スレッドセーフな配列（List,Dictionary,Queue,Stack）を作成する。(SyncRoot,Synchronized)ジェネリック版。

基本的に配列の操作はスレッドセーフではないので（あるスレッドが配列に追加・削除している途中で、別スレッドでFor Eachしたら正しく列挙できない）マルチスレッドで配列のデータを操作する場合は、同時に実行されないようにロックする必要があります。

非ジェネリックな配列の型の場合、SyncRootプロパティ、Synchronizedメソッドがありましたがジェネリック型ではIntellisenseに表示されません。ですが、実装されていない訳ではなく、SyncRootの場合はICollectionインタフェースを通じて、Synchronizedメソッドの場合は非ジェネリック型の静的メソッドを通じて、スレッドセーフ化することが出来ます。

■lockステートメントによるスレッドセーフ化

using System;

using System.Collections;

using System.Collections.Generic;
namespace ThreadSafeCollection

{

    class Program

    {
        static void Main(string[] args)

        {
            Queue SafeQueue = new Queue();
            lock (((ICollection)SafeQueue).SyncRoot)

            {

                SafeQueue.Enqueue("AddObject");

            }
        }

    }

}

■Synchronizedスタティックメソッドによるスレッドセーフ化
ジェネリック型には、Synchronizedメソッドはありません。

と、思っていましたが代替方法があるようです。gsf_zero1さんに教えてもらいました。

[C#] Synchronizedしたコレクションの操作 (Collection, Queue, Synchronized, IsSynchronized, lock, CopyTo)
http://d.hatena.ne.jp/gsf_zero1/20100107/p2

.Net 3.0 からは以下のクラスが使えるようです。

・SynchronizedCollection ジェネリック クラス
・SynchronizedKeyedCollection ジェネリック クラス
・SynchronizedReadOnlyCollection ジェネリック クラス

使用するにはSystem.ServiceModelアセンブリへの参照設定が必要です。

using System;

using System.Collections;

using System.Collections.Generic;
namespace ThreadSafeCollection

{

    class Program

    {

        static void Main(string[] args)

        {
            SynchronizedCollection SafeList = new SynchronizedCollection;

            SafeList.Add("Add Object"); 
        }

    }

}

SynchronizedCollectionは、型自体がスレッドセーフなのでSynchronizedメソッドを呼び出す必要はありません。

gsf_zero1さんの記事でありますが、For Eachなどの複合処理は保護されないのでlockステートメントによる同期が必要です。