オブジェクトのコピー。ICloneableインタフェース、MemberWiseClone、シリアライズを利用したインスタンスのコピー。

オブジェクトをコピーするためにはMemberwiseCloneメソッドを使用します。MemberwiseCloneメソッドは、シャローコピー（浅いコピー）と呼ばれるコピーで値型のメンバーをコピーして新しいインスタンスを作成する方法です。参照型のメンバーに関しては、参照ポインタをコピーするので実際はコピーしても同じオブジェクトを指したままとなります。これは大事な注意点でオブジェクトをコピーしたつもりが実はコピーできていないという誤解が良くあります。

MemberWiseCloneメソッドを利用するには、ICloneableインタフェースを継承します。

Public Class Form1
    Public Class Item

        Implements ICloneable
        Public Name As String

        Public Job As String

        Public Child As Item
        Public Function Clone() As Object Implements System.ICloneable.Clone

            Return Me.MemberwiseClone()

        End Function
    End Class
    Private Sub Button1_Click(ByVal sender As System.Object, ByVal e As System.EventArgs) Handles Button1.Click
        Dim parent As New Item

        Dim child As New Item
        parent.Name = "taro"

        parent.Job = "system engineer"

        parent.Child = child
        child.Name = "taro.jr"

        child.Job = "programmer"
        Dim parent2 As Item = parent.Clone

        Dim child2 As Item = child.Clone
        parent2.Name += "2"

        child2.Name += "2"
        Debug.Print(parent2.Child.Name)
    End Sub

End Class

この時、上記の処理の結果はtaro.jr2となりません。参照型はポインタをコピーしているだけだからです。

Debug.Print(parent2.Child.Name)

参照型のメンバーが指しているオブジェクトも含めてコピーをする場合。これをディープコピー（深いコピー）といいます。はコピー処理を独自に実装する必要がでてきます。実装方法で一番簡単なのはシリアライズを利用する方法です。参照型が指すオブジェクトも含めてインスタンスのコピーを作成することができます。シリアライズしたいオブジェクト、そのオブジェクトが参照しているオブジェクトと関連するオブジェクトのすべてにSystem.Serializable属性を付けておけば、シリアライズによるコピーが可能になります。

シリアライズの方法は以下を参照してください。

BinaryFormatterを使用してインスタンスをバイナリでシリアライズする。
http://d.hatena.ne.jp/tekk/20091012/1255357237